みなし労働時間制・裁量労働制とは|求人票での見方
最終更新: 2026-09-07
「裁量労働制」と書かれた求人票では、労働時間の考え方が通常と異なります。何がみなされ、何がみなされないのかを整理します。
求人票の本文を貼り付けると、この記事で説明している項目を自動で切り分けて表示します。
求人票を分解するみなし労働時間制の考え方
みなし労働時間制は、実際に働いた時間ではなく、あらかじめ定めた時間を働いたものとして扱う仕組みです。「1日8時間労働したものとみなす」という定めがあれば、実働が7時間でも9時間でも8時間として扱われます。
大きく分けて、外回りなどで労働時間の把握が難しい場合の事業場外みなし労働時間制と、業務の進め方を本人の裁量に委ねる裁量労働制があります。
- 事業場外みなし労働時間制 … 外勤などで労働時間の算定が難しい場合
- 専門業務型裁量労働制 … 対象となる業務が定められている
- 企画業務型裁量労働制 … 事業運営の企画・立案などの業務が対象
残業代はどうなるか
みなし時間が法定労働時間の範囲内であれば、その範囲について時間外の割増賃金は発生しない扱いになります。みなし時間が法定を超えて設定されている場合は、超える部分について割増賃金が必要です。
一方で、深夜(原則22時から翌5時)の割増賃金と、法定休日に労働した場合の割増賃金は、みなし労働時間制であっても発生します。「裁量労働制だから残業代が一切出ない」という理解は正確ではありません。
- みなし時間が法定内 … その範囲では時間外割増は発生しない
- みなし時間が法定超 … 超える部分は割増賃金の対象
- 深夜労働 … 割増賃金が発生する
- 法定休日労働 … 割増賃金が発生する
フレックスタイム制との違い
フレックスタイム制は、始業・終業の時刻を労働者が決められる制度で、実際に働いた時間を集計する点がみなし労働時間制と異なります。清算期間の総労働時間を超えれば時間外労働として扱われます。
求人票では両方とも「働き方の自由度が高い」文脈で書かれることがありますが、労働時間の数え方は別物です。
| 制度 | 労働時間の扱い |
|---|---|
| 通常の労働時間制 | 実際に働いた時間を集計する |
| フレックスタイム制 | 実際に働いた時間を集計する(始業終業は本人が決める) |
| みなし労働時間制 | あらかじめ定めた時間を働いたものとみなす |
確認しておきたいこと
裁量労働制には対象となる業務の範囲や手続の要件が定められており、制度改正で見直されることもあります。求人票の記載だけでは運用の実態は分からないため、確認しておきたい項目がいくつかあります。
- みなし労働時間は1日何時間として設定されているか
- みなし時間を超えた分の扱い
- 深夜・休日に働いた場合の取り扱い
- 実際の勤務時間帯の傾向
- 本人の同意が必要な制度かどうか、同意しない選択ができるか
よくある質問
裁量労働制だと残業代は出ないのですか?
みなし時間が法定労働時間の範囲内であれば、その範囲について時間外割増は発生しません。ただし深夜労働と法定休日労働の割増賃金は発生します。また、みなし時間自体が法定を超えて設定されている場合は、超える部分が割増賃金の対象になります。
どんな職種でも裁量労働制にできますか?
対象となる業務は法令で定められており、どの職種でも適用できるわけではありません。専門業務型と企画業務型で対象が異なり、制度改正で見直されることもあります。求人票に記載がある場合は、どの類型に当たるかを確認するとよいでしょう。
求人票に「みなし残業」と書かれていたら裁量労働制ですか?
別のものです。「みなし残業」は固定残業代を指す言い方として使われることが多く、あらかじめ一定時間分の残業代を定額で支払う仕組みです。労働時間そのものをみなす裁量労働制とは異なります。
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